大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京家庭裁判所 昭和38年(家)7578号 審判 1963年10月19日

申立人 中村昌子(仮名)

相手方 清田幸男(仮名)

事件本人 山田邦男(仮名) 外一名

主文

相手方は、事件本人両名の後見人辞任時における財産管理の計算を申立人の立会を得て行い、その管理報告書を昭和三八年一一月三〇日までに当裁判所に提出しなければならない。

理由

申立人は主文同旨の審判を求めた。よつて調査するに、

相手方は事件本人両名の後見人に昭和二八年一〇月九日就職し、同日件外平林美子が後見監督人に就職したこと、相手方は、昭和三八年四月二三日に当裁判所の許可をえて後見人を辞任したこと、昭和三八年七月八日平林美子が後見人に就職し、同日申立人が後見監督人に就職したことは当裁判所に明白な事実である。そして、相手方は本日まで民法第八七〇条に定める管理の計算を後任後見人たる平林美子にしていないことは相手方の認めるところであるので相手方は、民法第八七一条の規定により、後見監督人である申立人の立会をえて、管理の計算をする義務があると解するを相当とする。(もつとも、相手方が後見人であつた時の後見監督人は平林美子であつたが、民法第八七一条に定める後見監督人は、管理の計算をする時点における者と解すべきである。)

よつて、民法第八五三条、第八六三条、家事審判法第九条第一項甲類第二一号に基づき主文のとおり審判する。

(家事審判官 田中加藤男)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例